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29.09.2006

のさり

神経が膝に集中しているような気配。痛いのか、違和感なのか、気のせいなのか、それとも大事に至るものなのか、何だかよくわからなくなってきた。ストレッチを済ませ一抹の不安を覚えながらも、走っていて痛くなったら歩いて帰ってくればいいや、と考えて家を出る。走っていて痛まなかったし、鵞足包部分の圧痛もなくなったので大丈夫なんだろう。と、思うことにする。

朝ランの出足がどんどん寒くなる。寒がりの夫は長袖を着て走った模様。

昨日、ランナーズの記事について書いたので、今日も思うところを少し。少し前にランナーズのサイトで次号予告「のさり(おまけ)の人生」という記事を見た時から気になっていた。中身を読むとやはりこの町に住む方だった。実際には存じ上げない方だけれど、所属されているウルトラマラソンのクラブも名前だけは知っている。

私が気になったのは「のさり」という言葉。職業柄か、言葉の使い方に時々うるさいことを言いたくなってしまう。「のさり」はこの町の方言の中でも私は特に気に入っている言葉だ。この記事では「のさり」に「おまけ」という意味をつけていた。狭義ではそういう使い方もできるけれど、「のさる(動詞形)」の本当の意味はそうじゃない。本来は「恵みを受ける」という意味だ。神様から頂く恵み、自然から受ける恵み、人から与えられる恵み、そんなものを総じて「のさり」という。

知人の家でご馳走になったときは「のさった(過去形)」という。頂きものをした時も「のさった」だし、幸運で良い思いをした時は「今日はのさりだった」というような使い方をする。記事はさらっと「のさり(おまけ)」と書いてあるが、言葉の持つ深くて豊かな意味が通じていないことはとても残念だった。この記事の方も還暦を過ぎた後の人生が「のさり」だとおっしゃっているが、決してそれを「おまけ」ではなく与えられた「恵み」と考えていらっしゃるのではないかと思う。

小さな町の方言の解釈なんて誰も気に止めることはないとわかっているのだけれど。因果な職業であります。

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Comments

ちょっと違うけど,病は気から,風邪はひいたと思うからひく,なんてのを思い浮かべました。明らかな痛みはないけど不安は一杯ってとき,痛いのか,違和感なのか,気のせいなのか,はっきりしません。からだに問いかけてもあいまいにしか答えをくれない感じ。ただ,そういう不安な気持ちが故障に至るわけじゃないからいいですね。
でもやっぱり,風邪ひきかけのときのように,気にしないほうがいいのかもしれませんね。最近の京丸さん,休むときは潔く休んでられますし,気にせずで大丈夫なんじゃないかな,と思いました。
なんか論旨がないな。ともあれ,大丈夫であることを祈っています。

Posted by: びい | 29.09.2006 at 13:38

「恵みを受ける」なんて意味の動詞があるなんて、素敵!
本当に良い言葉ですね。
記事を掲載された方も、さぞかし悔しい思いをしてるんじゃないかな?と思います。
 京丸さんの住んでる地域の方は、感謝の気持ちをしっかり持てるんじゃないでしょうか?
 今日のお酒のネタ発見!でした(笑)

Posted by: | 29.09.2006 at 17:28

いいお話をうかがいました。「のさる」、素敵な言葉ですね。日本の方言って、しみじみと含蓄があって好きです。私は東京生まれ東京育ちの無粋な人間ですが、オットは生粋の津軽人でおもしろい言葉をたくさん教えてくれます。「あずましい」は「気持ちがいい」の意味だとか。私はまた、「あつかましい」かと思っちゃった。

Posted by: June | 29.09.2006 at 17:53

◎びいさん

いつもご心配くださってありがとうございます。不安がある時は過敏になってしまって、サインを大げさに捉えがちですし、結構混乱します。小心者なのです。とは言え、目標が定まっているとそうそう休んでばかりもいられず、気持ちは揺れるばかりで往生際が悪く、いやはやご心配をおかけしてます。

びいさんもどうか一日も早く痛みから解放されて、ランニングを楽しめる日がやってきますように!

◎???さん

どなたからコメントを頂いたのかな~とわくわくしています(^^)。ちっぽけな方言の話に耳を傾けてくださってありがとうございます。そうです、この「のさる/のさり」という言葉には感謝の気持ちが含まれていて、ありがたいという気持ちを込めて「のさった」と言うのです。ぜひ今日の酒の肴にしてやってくださいませ。

◎Juneさん

この町の言葉には、共通語への翻訳が難しい方言があります。「のさる」もきっとそのひとつですね。地方には古い言葉が残っているといいます。今はあまり使われることのない廃れた考え方も言葉の中に息づいているのかもしれませんね。津軽の言葉、私は生で聞いたことがありません。文字にした感じと、音で聞いた感じはまた違うのでしょうね。

Posted by: 京丸 | 29.09.2006 at 18:15

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