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21.02.2007

東京マラソン完走記・その1

2月16日4時50分。目覚ましを止めると大雨の音が耳に飛び込んできた。少しだけ開けた窓から水しぶきが容赦なく顔に吹き付けてくる。やっぱり大雨だ。私はこの雨の中を走るのか。絶望的な気分になった。

こうして2007東京マラソンは土砂降りの雨から始まった。スタート地点で待つランナーは皆凍えそうに青い唇を震わせていた。でも寒いのは私だけじゃない、雨は皆に平等に降っているんだ。自分にそう言い聞かせてふと隣を見やるとカッパもポンチョも着ていなくてずぶぬれの男性が。私の使い捨てカイロを使いませんか、いや濡れちゃうのでいいです、などとやり取りしていると前方の男性が2枚着ていたポンチョの1枚を脱いでその男性に渡してくれる。感激で胸が熱くなる。そう、こんな土砂降りの中だと、もう「自分だけは」なんていう気持ちはなくなるのだ。長い長い待ち時間を見知らぬ人たちと励ましあう。そして、ようやくスタート。

号砲は聞こえなかった。ずっと先をスタートする人たちが発した地響きのような声でそれを知った。さあ、本当にスタートだ。スタート地点の手前に立っていたタレントの松村邦弘さん(何故ここに?)、それから石原都知事、河野洋平サンに手を振り、始まりだ!

身体は重い。重いというより、固いという方が正解か。そりゃそうだ。ウォーミングアップなんて皆無、身体を冷やしまくったスタートだ。走る前にクーリングダウンしてどうする!? 震えながら都庁をスタートして靖国通りに入ると沿道には予想外に応援の人の波。うわあ、嬉しいなあ。寒さに萎えていた気持ちがふっと軽くなる。でも、やっぱり息があがる。時計を見やると6分半ペース。いかん、速すぎる。初フルだったNYCでは5km35分ペースで走り始めて撃沈したのだった。もう少し落とさなくては。

でも固くてギシギシの身体は前に進む。沿道には人が続く。がんばれ、という声がだんだん大きくなる。できるだけ沿道に近い側を走って、応援に応えたい。頑張って!の声に「ありがとう」「頑張ります!」と大きな声で返す。いつしか寒さのことは忘れていた。私の目は人の波を追い、耳にはずっとビニールカッパのシャカシャカという音と人々の応援の声が交じり合って流れていた。

3.8km曙橋地点に海実子さんたちがいてくれる。まずは曙橋を目指そう。曙橋の標識を捉えてから、ニコ3マークの上りを発見。とりあえず手を振ってみる。気づかれなかったかな、残念と通り過ぎると、NYCを一緒に走ったポンするめさんの「京丸さんだ!」という声が耳に届いた。途端に足が軽くなる。ひょっとすると後姿を見送ってくれているのかも、そう思うとストライドが伸びる。

5kmを超えた頃だっただろうか、とうとう水たまりにはまってしまった。靴の中はもう海のような状態。お陰で濡れることにもう抵抗感はなくなった。ほどなくして見覚えのある赤いランニングを着た後姿が。FRUNの人だ。足が痛そうだ。無理もない、この寒さだ。ひょっとすると痙攣でも起こしているのかもしれない。私だっていつ同じ状況に陥るかわからない。思い切って「頑張りましょう」と声をかける。

10kmを過ぎて時計を見る。やっぱり33分前後。でも身体が少し軽く感じられるようになった。ようやく少し温まったということか。足も進む。プラカードを持った叔母と妹を発見。思わず私も大きな声で答える。二人は電車を乗り継いで応援してくれるという。嬉しさに目の奥が熱くなる。沿道はずっと応援の人、人、人。人の波が、そして応援の声が途切れることはない。そして、見知らぬランナーにも絶叫に近い応援の声をかけてくれる。信じられなかった。シャイと言われる日本人が、見知らぬランナーのために絶叫するなんて。それも都会の真ん中で。嬉しいという気持ちがだんだん「誇らしい」という気持ちに変わってくる。

気づくと5分を切るペースで走っていた。これはいくらなんでも速すぎる。前を走るランナーの背中をつい追い越してしまう。NYCのこと、そして初めて走ったレースで飛ばしすぎて後半倒れそうになったことを思い出して、気持ちをセーブする。そういえばNYCでは15kmで足にがくんと疲れを感じたのだった。でも今日は20km近くなるけどまだ来ない。えっ、えっ? ひょっとすると自己記録更新できるかも?

(その2に続く)

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Comments

東京マラソン録画してるんですがまだ見てないです。すごい雨だったんですね。
雨の中、お疲れ様でした。
残りの完走記も楽しみにしてます。

Posted by: hisa | 21.02.2007 at 23:29

きていただきありがとうございました。
自分は目標は完走でしたので何とか達成!よかったです。
今週はまだ東京マラソンの余韻を楽しみたい気分です。

完走記楽しみです。それではまた・・・

Posted by: チラシズシ | 22.02.2007 at 05:19

◎hisaさん

土砂降りのレースって始めてでした。朝、本当に絶望的な気分になりましたよ。でもお陰でもうどんなレースでも大丈夫という妙な自信が生まれました(笑)。残りの完走記もまた読んでくださいね。

◎チラシズシさん

完走おめでとうございました。ゴールは感激されたことでしょう。私もまだ東京マラソンの余韻に浸っています。仕事になりません(こらこら)。

続きもぜひ読んでください。番外編も書きますよ♪

Posted by: 京丸 | 22.02.2007 at 08:56

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