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20.07.2007

恥辱

酷使したわけでもないのに、歩くたびに膝が痛んでいた。でも昨日よりは少し軽くなったような気がする。早朝ウォーキングの帰り道、水たまりの跡をひょいと飛び越えてみたら、むむむ痛くない。試しにちょっと走ってみたら、何とウォーキングの時よりも痛みを感じない。調子に乗って1kmばかり走ってみた。身体はすっかり重くなって、胸も苦しく、ウォーキングと変わらないようなスピードでしか走れない(涙)。でも、たとえ1kmであっても汗を流して走ったお陰で、大きな達成感が得られたのだった(お得だな~)。しかーし、あまり調子に乗らないよう自重しなくちゃ。

さて、夢の様な阿蘇の1日が終わり、帰宅するとそこにあるのはまさに日常。普段、外出して友達と会うという機会がほとんどない私にとって、阿蘇の一日はまさしく夢の中のできごとのようだった。時々タイピングの手を止めて、阿蘇の出来事を思い起こす。はあ~幸せだった。

一方、日常の生活はほぼ変わらず。そろそろ終わりが見えてきた長期大量の仕事の合間に、ちょっぴり緊張する有料トライアルをいくつか受けた。仕事量は以前と変わらないけど、仕事時間を短縮したためか、夜眠い。脳みその疲れは単に仕事量だけではなく、集中度にも比例するような気がする。お陰でここのところ本が読めなくなってしまって、欲求不満。積読本もまたまた増えつつある。

070720 ◎「恥辱(J.M.クッツエー著/鴻巣友季子訳)

文庫化を待って購入。帯には「教え子と関係を持った52歳大学教授が経験する果てしない転落―」とある。しかし、この作品は転落だけを表現した物語ではなかった。確かに、主人公デヴィッド・ラウリーは帯の通り、教え子と関係を持ったために、准教授という職を解かれ、大学を追われる(いや、デヴィッド本人の意志で去ったのだけれど)。そして、黒人の地で、娘とともに農民として生活する。

「恥辱(disgrace)」という表題は彼の境遇だけではない。不条理の地に住む娘ルーシーが受けたものも恥辱そのものだ。また、デヴィッドが教え子に与えたものも恥辱に違いない。そして、デヴィッドの再生と、娘の恥辱からの再生とが対比をなす。

(以下ネタバレあり:コピーすると反転します)
デヴィッドは本当にダメダメだ。娘の恥辱と、自らが教え子に与えた恥辱とを重ね合わせることもないし、娘の事件で胸を痛めつつも、なお見知らぬ女性を街中で拾って関係を結ぶ。それは淡々と語られ、不条理だ。ある意味その姿は笑いすら誘う。彼がその後、恥辱から立ち直り、再生できるのか。判断は読者にゆだねられている。

そして、ここのところ立て続けに本で目にすることになった「犬殺し」の話。人間が動物の生命の綱を握り、意のままにその生命を奪っている。人間にとって動物の生命とは何か、動物の尊厳とは何かと、この作品から問われている。

そして、娘が置かれた南アフリカの黒人社会。描写されたその暴力は、アパルトヘイト崩壊後もなお断絶する南アフリカ社会を想像させるに難くないものだった。

セクハラで身を落とした大学教授の話、というあらすじだけで読み始めた本だった。だけど、そんな単純な話ではなかった。読み終えてすっきりという本ではなく、問われ続ける本、そして何を問われているかを自問する本だった。

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Comments

まずはタイトルにびっくり。
ど、どうしたの?って、本のタイトルだったのね^^;。
出だしが膝痛の話だったからびっくりした~。(笑)

相変わらずものすごい読書量をこなしてますね。
しかも内容が重い。
この反転すると文字が出てくるアイディア、いいなー。
白文字で打ったんだよね?
でもどうして反転すると青文字になるの?

と、そんなことが気になってしまったのでした。^^;

Posted by: みなみ | 20.07.2007 at 15:22

◎みなみさん

あはは、失礼しました>タイトル。つい本の題名をつけてしまったのですが、トップページでいきなり「恥辱」じゃびっくりですよね。

あ、ですがこの「恥辱」は数日前の読了本で、ここのところちょっとペースが落ちています。内容が濃いものが多いからかもしれないけど、さくさくと進まないのです(涙)。気づいたら意識を失ってる毎日。ほほほ。

この反転のアイデア、いいでしょう。って他所で見かけて頂いたんだけどね。内容に触れることなく本を紹介するのは難しいけど、内容は知りたくないと思う人もぜったいいるはずだからね(私もそう)。仰るとおり、文字の色を白色にしてみました。反転したら何故青文字になるのかはわかりません。やってみたらそうなっちゃいました。機会があったらこの技使ってみてね。映画の紹介とかにも使えるよね。

Posted by: 京丸 | 20.07.2007 at 17:27

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