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17.07.2007

観光

三連休は台風と雨でほとんどの時間を家で過ごした。台風一過って、青空が広がり、それまでの嵐が嘘の様に晴れ渡るのが普通なんだけど、今回は台風が去っても雷を伴う豪雨に肝を冷やした。

そんな悪天候の所為で連休中のウォーキングは1回のみ。酷使しているわけでもないのに、膝が痛むのはどういう訳だ? 構造的な問題があるのかと少し心配するが、単なる怠けすぎなのかもしれないので、しばらく様子を見ることに。そういえば3ヵ月の休養を経て、足首もやっぱり完治したわけじゃないのだ。ということで気にしないことにする。

そして、やっぱり読了本が貯まるのだった。

観光(ラッタウット・ラープチャルーンサップ著/古屋 美登里訳)

20070717 胸の中に貯まった水に、この本が放った小さな石がちゃぽんと落ち、その小さな震動がじんわりと続いている。

テロル」の購入履歴に基づきアマゾンから「買わない?」と勧められるがままに購入したこの本がそんなに私の胸を震わせるとは思わなかった。タイ人作家の小説が珍しかったうえ、表紙の深く青い空の写真に惹きつけられてつい、購入ボタンを押してしまったのだ。7つの短編のテーマはいずれも喪失。失われるもの、失われたものの前に立ちすくむ人々だ。そして、その喪失感はたぶん読む人が味わったことのある懐かしくも哀しい思いでもある。

特に表題の「観光」。アンダマン湾とタイ湾を両手に臨むその美しい景色は、視力を失われつつある母と目にすることで、なお美しさと哀しさを増す。そして、この「観光」という地味な題名が「光を観る」という言葉との掛け合わせであったことを知り、さらにその言葉の深さが胸に沁みるのだった。

他の6篇もそれぞれに素晴らしい。この本と出会えたことに深く感謝。予想を上回る素晴らしい本だった。アマゾンのお勧め、侮りがたし。 早川epiプラネット、当たりが多いぞ。

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