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07.08.2007

バルザックと小さな中国のお針子

眩しい朝日、澄んだ青空、吸い込む熱気、突然の暗雲、バケツをひっくり返したような大雨。

夏休みの天候が一度にやってきたような一日だった。予想以上にノルマが早く終わって、念願のリアル本屋に足を運んだ私は、館内放送で大雨を知り、慌てふためいて帰宅した。パソコンの電源をいれっ放しで出かけていたのだ。雷ゴロピカの中、買ったばかりの本を濡れないように工夫してどうにか自宅に帰りつくと、窓が全開だった…。

◎「バルザックと小さな中国のお針子(ダイ・シージエ/新島進訳)

Photo 文化大革命時の中国。医師の両親を持つ少年は反革命分子として未開の山村に「再教育」のために送られる。文化に乏しい山村で、そして革命関連以外の本を禁じられた文化大革命の時代に、少年たちは書物を渇望する。そして少年たちは書物と恋に出会う。

暗い内容と思うなかれ。少年たちに、そして山村の人々に、物語は今の時代よりもはるかに大きな幸せをもたらす。物語の世界に触れた人々の顔は喜びに満ちている。

本に飢え、一言一句を覚えるほどに貪り読むこの環境下の少年達を思うと、本屋に行けば本があふれ、読み捨て、積み置くいまの安寧な時代の私たちの幸せ(と傲慢)をいま一度考えてみてもいいはずだ。折りしもこの本を読んだのは広島に原爆が落とされた日だった。

職業柄、題名を見た瞬間に心の中で赤ペンを握り締めたのだけれど、本文は赤ペンを駆使する間もなく読み終えた。在仏中国人の著者が仏語で書いた作品。本作品のメガホンも取ったのだとか。

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Comments

本の話ではないのですが。
この表紙の絵を描いているのは、知人です。
年に1回くらい会う機会がありますが、こうして活躍している事を知ると嬉しいです。

京丸さん、またお仕事が忙しくなっていますか?
それとも、この暑さにへばっていますか?
普通じゃないですね、この暑さは~。
でも、東京は久しぶりの曇り空&涼しい風が。
今日は皆、走りに行っているみたいです。
なのに、私は、走れない日々になってしまいました~。

Posted by: 海実子(みみこ) | 18.08.2007 at 13:04

◎海実子さん

コメント遅くなってしまってすみません。この本の表紙、海実子さんのお友達が書かれたのですか。ほんわかして柔らかくとても魅力的な絵です。大好きです。書籍の価値って装丁にも大きく負いますよね。良い仕事をなさってます♪

ブログの更新が途絶えてしまったのでまたもご心配をおかけしてしまいました。仕事は通常通りぼちぼち忙しいのですが、お盆休みは涼しい自宅で読書三昧でした。こちらも大変に暑いのですが、関東の暑さは尋常ではありませんね。涼しい日も1日限りだったみたいで、まだまだ残暑は続きそうですね。無理なさいませんように!

Posted by: 京丸 | 20.08.2007 at 09:13

私もどうしているかな~と思ってました。
元気そうで何より♪
阿蘇の山の上も猛暑だったから、京丸さんのところの暑さもすごかっただろうな~と思ってました。
今年の山小屋は異常発生したハエとの戦いになっちゃって、京丸さんをお呼びしなくてよかったーと思ってしまいました^^;。

この本の装丁が海実子さんのお友達だなんて、縁って不思議ですねー。

Posted by: みなみ | 20.08.2007 at 20:29

◎みなみさん

ご、ご心配をおかけしました。お盆休みも読書と墓参りしかしてなくて、ネタ切れしてました。

山小屋、ご一緒できなくてごめんねー。今年は阿蘇もかなり気温が高かったので心配していましたが、ハエですか!? こういうときに女性ひとりだと大変だったでしょう? むむう。駆けつければよかったねー。

人と人ってつながってるものなんですね。何だかしみじみ嬉しいのでした。

Posted by: 京丸 | 21.08.2007 at 10:48

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