« バルザックと小さな中国のお針子 | Main | 草の竪琴 »

21.08.2007

カラマーゾフの兄弟

Photo 猛暑のお盆休みは読書と墓参りで終わってしまいました。

実はこの夏の読書のテーマは「カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー著/亀山郁夫訳)」。この7月、光文社古典新訳文庫から発売されたこの名作の全4巻+エピローグ1巻がとうとう出揃ったのです。過去に挫折したこともあり、この夏は新訳で読破することを決めました。…世の中にはこういう人が結構多いらしく、この新訳「カラマーゾフの兄弟」の売上は25万部に達したのだそうな。うちの近所の紀伊国屋書店でも1巻は完売していたし。みんな、読破するのよー!

確かに新訳はとても読みやすい。読みやすいことに対する批判もあるようだけど、読みにくく訳して読者が挫折することに何の価値があるというのか。そういうわけで、読みやすさにむせび泣きつつ読み進める。

まずは、名作というイメージをぶっ壊す登場人物の人間臭さ。実に濃ゆいのです。女好きで、金遣いが荒く、テンパってあらぬことを口走り、よくしゃべり、よく泣き、よく怒り、おびえ、妄想激しく粗忽者、でも誇り高い。だからこそ魅力的で愛せちゃうのだな。読者もそれに振り回されて、度肝を抜かれたり、泣いたり、笑ったり、途方に暮れたり、身を震わせたりと忙しい。ひとつひとつのエピソードが複雑にからみあって、結末につながる。

一方、難解で理解の及ばない部分も多かった。無信心な私には宗教に関わる話はとても難しかったし(かつてはこの宗教関連の話題のお陰で1巻途中で挫折した)、私が読み流したところにも気づかぬ伏線や謎がいっぱいちりばめられていたんだと思う。

何年か先にこの作品を読み返した時に今よりももっと理解が深まって、面白さが増すといいな。いや今回も充分に面白かったんだけれど。聖人君子が登場しなくとも、道徳的教訓がなくとも、感動の結末でなくとも、さっぱりわからない部分があっても(おい)、名作なわけです。

余談ですが、三男アリョーシャの小者っぷりが「泣き虫弱虫諸葛孔明(酒見賢一)」で印象的な孔明の弟とかぶってしまってちょっと受けました。強烈な兄に小者の弟、ちょっとツボです。ふふふ。(はっ、第弐部読まなくちゃ)

さて。今日は改題を読みます。それから「スメルジャコフ対織田信長家臣団(村上春樹)」もいずれ。

|

« バルザックと小さな中国のお針子 | Main | 草の竪琴 »

Comments

今朝、yahooニュースで紹介されてました。
アマゾンで4週連続ベスト10に入っているって。
おぉ!!!!と思ったけれど、これはさすがに、私には難しい!

Posted by: 海実子(みみこ) | 23.08.2007 at 06:35

◎海実子さん

確かに難しい部分はあるんですよー。読んでもさっぱり意味不明だったり。ですが、それはそれとして読み進めても面白いんです。これが。登場人物は実にキャラ立ってますし、多彩なエピソード満載ですし。

新しく翻訳に携った亀山さんがとにかく「読みやすくすること」を念頭に置いて訳されたため、新しい「カラマーゾフの兄弟」は以前よりも随分読みやすくなっています。この機会に多くの方が「カラ兄」を手に取り、カラ兄談義に花を咲かせたい、と思っているのですがねー。誰か、読みませんか!?海実子さん、いかが?だめ?

Posted by: 京丸 | 23.08.2007 at 09:59

昨日、電車で隣に立ってた人が読んでました。
僕には無理だなー(非読書家)。

Posted by: まっち | 29.08.2007 at 13:03

◎まっちさん

Amazonのベストセラー欄を見るとここのところ必ず「カラマーゾフの兄弟」がランクインしています。それも「1」だけ(笑)。来週あたり「2」がランクインしないかなーと楽しみにしているんですが、やっぱり挫折しちゃうのかな。

読んでみると結構面白い内容なんですよ~。

Posted by: 京丸 | 29.08.2007 at 17:37

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« バルザックと小さな中国のお針子 | Main | 草の竪琴 »